オリオンが終わると春
今年の冬の寒さは都会でもなかなか厳しく、夜中にベランダにでも出ようものならほんの数分でカチンコチンに凍てついてしまい、心が折れる音が聞こえてきそうです。
そんな中、夜中にベランダに出るためだけに完全防寒をしてベイマックスのようなポンポコリンになって毎晩星を見ていますと気温の少しの変化というのも感じることができるようになっていたりします。
たとえばちょっと操作をするときに手袋をはずしてそのまましばらく観望したりして「おやや?今夜はそれほど寒くないな」と気付いたりすることがあります。(それでも冷蔵庫より寒いのですが)
冬の夜空は明るい星のオンパレードでとても賑やかですが、都会の空ではレンズを通さないとその賑やかさを感じることができません。シリウスやプロキオンなどが見えなくなることはありませんが、超有名どころの星以外は最低でも双眼鏡(7倍)を覗いて「あぁ、今夜もよく見えてるわー」という具合です。まぁそれは1年中通しての話ですからしょうがないのですが、山に行きたい行きたい行きたいぃぃ!という気持ちが強くなり、しかしこの都会の夜よりも更に寒さと風がパワーアップするという事実にくじけています。
冬の星座で誰もが肉眼でその大まかな形を捉えられるのは、オリオンでしょう。オリオンは都会の星見好きに優しい星座で、とにかく雲さえなければ必ずあの三連星が目に飛び込んできます。そして、その少し脚側には数え切れない宇宙好きがレンズを向けたであろうM42が、都会でも大きな星かとみまごうような明るさで輝いています。
たまには写真を撮ってみようかなと珍しくレンズを向けてみました。望遠鏡ではなくタムロンの150-600というレンズで5秒程度の1ショットでこれだけ写ってくれました。大阪ではこれ以上露出をかけると真っ白けになってしまうので、これ以上のものが撮れることは僕にはできないかもしれないなぁと思いますが、おもっていたよりもキレイに撮れてしまい正直に嬉しかったです。
写真では猛者の方々がもっともっとすごくキレイなM42を撮ってらして沢山見ることができますが、自分でこういうのを撮ってみるというのもまたモチベーションがあがって良いものです。
写真といえばオリオンと並び王道中の王道ですがアンドロメダ銀河は一晩かけてもよいので写真に挑戦してみたいです、もちろん自宅からも過去に挑戦してみましたがただの白いボーっとした球にしかならずで諦めました。山のどこかの暗く良い場所から、ただひたすらひとつの対象に向かって根性を入れる、ということもやってみても良いかと思ったりしてきました。少し変化してきているように思います。
さてオリオンも段々と沈む時間が早くなってきまして、ぼちぼち春がスタンバイです。暖かくなるというのは人間だけじゃなく生物には待ちに待った息吹の季節ですから、越冬中の生物のほうがあと少しで春だ、と人間よりも早く感づいていることでしょう。
都会の夜中のベランダで夜な夜なモコモコと活動している変わった人間も、少しはそれを感じることができます。待ち遠しいですね。
お月見はBS双眼が気持ち良い
空がきれいに澄んでいたので夜中のお月見です。
思い立ってから数分、手軽にさっさと設置できるスカイメモSを経緯台に、望遠鏡は大阪市内では短い焦点距離からほとんど出番の無いがしかし、双眼をそのまま取り付けることができる点が重宝するウィリアムオプティクスのZ71、アイピースはお気に入りのスコープタウンのor14mm。これで何度もお月さんを見ているが、毎回その見え具合に「うぉ~ キレイだ~」と感動しています(毎度同じリアクションしています)。
双眼は立体に見えるだとかそういう一般的なことはさておき、とにかくキレイの一言に尽きるのです。月の詳しいアレコレうんちくなどもさておいて、ただただ月の見事さに見惚れることができるのです。たまに薄い雲が流れて月にかかったりすれば更に強烈にドラマチックな画に変化し、それが一瞬一瞬動いているのだからたまりません。
まったく雲が無いよりはたまーにいい塩梅で雲が薄く月にかかってくれるという微妙な空がこういうお月見には最適。室外機の上にホットコーヒーを置いて、チビっと飲んじゃぁ眺め、を繰り返していると知らないうちに身体が冷えてきてしまい、あぁそういう季節になってきたんだなぁと感じます。
機材好きの人や機材同型を使用している方へ役立てばとメカ的なことを少し。
たいした性能でも無いのであまり使用している人も購入を考えている人も少ないでしょうが、総合的にはまぁまぁ良い望遠鏡のWO-Z71。ED入っていますので中心部は一般的な性能で良いのですが周辺はAPSでも流れますので写真命の人はチョイスもしないでしょう。
高度が低いのでプリズムは使用せず、その為直接Z71に双眼装着でピントがきます。装着するアイピースによって前後しますから2インチエクステンダーは1つくらいあった方が良いでしょう、あと数ミリというところでエクステンダー必要になったりするアイピースもあります。私の場合は40mmエクステンダーを複数個用意して双眼やバロー、TリングつけたEOSを使ったりする際にあれこれ調整して全てに対応できるようにしています。写真の状態での同郷総重量はおおよそで3.5kg弱。スカイメモSでのウェイトは標準のものでは足りないので2kgくらいの他の赤道儀のものを流用しています。この場合のフィルターはBS双眼部分に31.4mm、2インチエクステンダー部分に2インチのフィルターがつけることができますので一般的なフィルターであれば装着したままアイピースをとっかえひっかえで見え具合を比較することも容易でけっこう楽しめます。