なにわのアルゴ座

星見が好きな大阪のおっちゃんのブログです

国産でAZGTiのようなGOTO自動経緯台(赤道儀)を何故作らないのだろう

世界でステイホームが叫ばれて二回目の桜が咲いた。

全人類が共通のことで同条件下におかれ、試行錯誤を繰り返すことなどほんの数年前には考えもしなかった。

天体に興味を持つものは今回のパンデミックも違う視点、地球規模・宇宙時間で考えることができると思うので見方もまた違うベクトルであれこれ観察したに違いない。

例えば目でいろんな表現ができ、それを受け取る意思疎通アンテナの発達したアジア圏の人たちは(口を隠す習慣がある日本では特に)マスクをあっという間に受け入れ取り入れる一方、欧米では口で感情表現する領域が大きいようで無意識のうちに(頑なになってたこともかなりの割合あろうが)口を隠すことを拒否しまくり、各国でとても残念な結果となってからしぶしぶマスクを受け入れた過程もまた興味深いことだった。

他、細かいことは枚挙にいとまがないが、とにかく世界共通の願いは「1日も早くパンデミックが終わってほしい」そこのところで合致している。

ただし同じウィルスであるインフルエンザレベルになるまでにはあと1~2年は楽勝で時間が必要で3年あればだいぶマシな状態にもっていけるかどうか、というのが正直なところ。

それが理解できない人が緊急事態宣言が解除されたら方々にワイワイと散らばり、また去年の真っ只中に「GOTO」をはじめたアホな政府には面食らったが、性懲りもなくまたGOTOの再登場を考えているそうだ。

国民も政府も含めて、どこまでおめでたい国なんだろうか、日本は。。。

 

さて、そのGOTO、天体観測に興味をもっている者からすれば「自動導入マウント」の方がピンとくる(感染者拡大にも影響しないし)。

 

世界的大フィーバーを起こしたスカイウォッチャーのAZGTiは、これまた世界中で数年経った今も供給不足でウェイティングが発生してるそうだ。エンコーダーを取っ払ったAZGTeという廉価版もいつの間にやら出ているそうで(実質的にエンコーダーあんまり使わないし、単体で使うだけの待てない人はこれでもいいと思うが)そのニーズの高さというのは商売としての業界からすれば数年の観察をしていると思う(普通はする)。

 

AZGTiはどこをどうつついても文句のない素晴らしい製品ではない。あちこちつっこみどころは満載なれど、それでも便利さと気軽さとコスパに優れているからこその超人気商品なのだ。

これを、国産のビクセンなどはもちろん知っているだろうに、なぜ何もモーションを起こさないのだろうか、これが一番不思議なところ。

 

AZGTiがこれほど喜んで求められてる理由は皆が一番良く知っているし、そのメカニズムで無駄でアホな箇所を日本の賢い技術者が「日本が作ったならば」という言葉をつけてそれなりの精度をひっさげて世に出せば倍の値段であったとしても令和最大の天文系HIT商品になること間違いないだろうのに・・・。

 

もちろん経緯台で作ったとしたら赤道儀化するものたちもわんさか出てくるので、北極星導入用のマウントも作らなくちゃいけないが、これもまたみんなが欲してるモノなのにいつでも購入できるスタンダードってのがずっと無い不思議な商品である。

個人の天体猛者がたまに限定台数で出したりするが、こんなものは天文を専門とするメーカーが何十年も前から頑丈で精度のあるスタンダードマウントを出していないことが「おかしい・ちょっと恥ずかしい」と感じなければいけない商品だ。

 

日本が作ったら、ということでは経緯台赤道儀の兄弟機二本立てで出すのもアリだ。きっと長寿ヒット商品になり、ビギナーからベテランまで必ず1台は持ってるよ、というモノになろう。

中華に先を越されたのは残念かもしれないが、これだけ世界があまり出来の良くないAZGTiであれこれ工夫をして観測や撮影を行っている現状をボケーっと見てるだけならば、もはや会社としておかしいんじゃね?と感じてしまう。

 

大人の事情や台所事情もあるんだろうが、これをセットで買いやすい値段で出して「ステイホームは天体観測で」というのはメーカーのネームも印象もグイグイとあげてくれるに違いない。逆手にとって躍進するかどうかってのはこういうトコにかかってるんじゃないかと思う。もちろんAZGTiを超える精度や使い勝手でなければ後発の意味は無いが、もしホントに完成したらそこらへんは心配ないだろう。

コロナが終息しても基本的な内部面さえ手抜きしていなければ世界のスタンダード機として何十年も使えるということがどれだけ将来的にメーカーとしてもプラスになるかを考えると、やはり作らないことの方がどうかしてる。

たまにはやっぱり日本製はすごくイイね、というものを日本だけじゃなく世界中の人に味合わせてほしい。