なにわのアルゴ座

星見が好きな大阪のおっちゃんのブログです

セレストロンAVX 赤経ウォーム側もガタ→調整

日食は準備していましたが残念ながらクモクモで最後までアウトでした。

10年後にまた見れるそうです。容赦の無い自然のぶった斬り具合を見習わないといけないなぁと思いましたw。

 

さて、その前日の澄み切った夜空で、前回やったDEC側調整をPHD2で検証&試写してみました(PHD2使用2回目)

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DECは以前からすると非常に落ち着いて、逆に相対的にRA側の方がより気になってきます。。ここまで行ったり来たりをしているその足取りの雰囲気をみると、やはり何かおかしいでしょう。

 

 

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RA側はカバーが外しにくく触るのが嫌だったんです。でもしょうがないので知恵の輪状態のカバーを外しました。ハッキリ言えばこのカバー下部は設計段階でのクソアホです。

 

 

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まず下部カバーがついてる状態でモーターピニオンを外します(もちろんバックラッシュは指先と目視で確認後)、その後残ってるピニオン部分を力技でメリリと広げて少しづつクリアすると、あとは少しこじてねじれば外れます。それでもたぶん割ってしまう人、クラック入れてしまう人が世界中で続出してババ怒りモードになったことでしょう。ナンマンダブです。この赤道儀は中華お得意の(ビクセンの名作GPの)パクリだそうですが、どうせパクるならこういう箇所ではオリジナリティを発揮して「おぉ、ネジ一本でバックラ確認・調整できるよ。ありがてーな」と言わせたらまだポイント高いのにね、やっぱバカだ。

 

モーターピニオンを取り外すと、ウォームのガタを指先で確認できます(というか、その為に外しているし)

案の定+ 0 -の中間でそこそこの遊びがありました。スー...スカー...という感じです。

 

ですが、RAはDECより取り付け方法がややこしく、モーターも外さなきゃ調整できないし、特に固定ボルトが裏からロングヘックスが無いと届きません。最初は諦めてソケットのロングシャフト4mmを買いに行こうと片付け始めたのですが、ダメ元でいっぺんやってみようかと思って・・・

 

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そう、DEC同様の押しネジだけをホンの微かな角度、ちょっとだけ、、をやってみたのです。引きネジも固定ネジも一切触っていません。調整のセオリーからは外れていそうですがこれがビンゴ!

なんとなんと、いい具合に調整できることがわかりました。たぶん軽微なガタ、使用に従って発する調整はこれでOKだったのではないでしょうか。グリス入れ替えなどの清掃も含めてしっかりやる場合には前回のハウジングまるごとバラしでないとそもそも掃除もグリスアップも不可能ですが、ただの通常程度の遊びがでてきた→それを直したい、くらいならホントに微かな角度なのでここだけで良かったのです。良い状態への回転角度があまりにも大きく、押しネジのプリテンションが抜けるほどであればハウジングバラしは必要になりますが。

 

あとはレート9やその他のレート数でギュインギュイン回転させたりして回転チェック後に問題なければ全てもとに戻します。チェックの際には無負荷で回転させてても意味がありません。そこに5キロ10キロそれ以上とのっかって動くのがデフォルトだから。ウェイトや自分の使用望遠鏡の全実装がベストですが、コントローラーを持った立ち姿勢のまま、アリミゾに手のひらを当ててその上に顎をのっけて頭を適度に荷重させてチェックすると、だいたい全装備程度の荷重、グッと過荷重も思いのままで非常に効果的です。まぁもちろんイレギュラーな方法なのは言うまでもありません。

 

モーターをまるごと外すのが必要なので元に戻す過程でもれなくバックラッシュのゼロからの再調整が必須となりますが、ここまでやられる方はもう慣れたものでしょう。何度もやっていると、モーターピニオンを指で動かしながらバックラッシュを目測と指先の感覚で測りながら隙間を決める方法がベストだと感じました。目指すはゼロではダメだけどできるだけカクカク(バックラッシュの意)が最小に感じるポイント。ここが非常に大事かと。ゼロは理論上の理想ですが平ギアのままでは永遠に不可能でベルト駆動へのカスタムしかありません。シャフトもギアも他の一般ギア機械と比べればごつい方なので再現性もありますからギア駆動の場合は必ずバックラッシュをもたせつつもできるだけ小さいベスト位置を求めるのが正しいベクトルだと思います。

 

ただ、モーター固定の3つのキャップボルトの精度が非常に悪いのでできれば予め採寸準備した日本製のキャップボルトに交換したほうがあとあと良いなぁ、、、と思いつつそのまま再使用してしまいました。今度交換しようっと。

 

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あともうひとつ大事で有効なモデファイは、憎たらしい下部カバーをこうしてやります。パカン!

 

割ってしまったのではなく、リューターにロータリーカッターつけてチュイーーーン!と切断しました。たったこれだけでトップカバーをネジ4本で開けたあと、ギア側のネジ1本でカポンと開くことができ、ギアが全部丸出し可能となり整備性が1億%向上します。あの箇所を切断するのがキモで、このまま組み付けると切断したことでの剛性の低下とか他の弊害が感じれれず、トップカバーのおかげで形状が保たれ一部の独立小パーツも含めきれいに元に戻ります。

 

で、今度はまた晴れた夜にPHD2での検証、これは非常に楽しみです。これでうまくいったらいよいよ電子極軸を考えたいと思います。ほんまかさんのスタンドアローンが一番いいなと思っていますがシャープキャプの内蔵ポーラーアライメントも良さそうです。